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173話

「ふぅ〜やっと帰ったか!」

KIKIが去った後、広々とした部屋には唐龍一人だけが残された。一つ溜め息をついて、ようやく緊張が解けた。KIKIのような女性には、本当に何の対策も持ち合わせていない。

「ルームサービス、夜食を一つ頼むよ」

唐龍は足を組んで、部屋の電話を手に取り、ホテルのマネージャーを呼び出した。夕食を食べたばかりだが、さっきのやり取りでまた空腹感が戻ってきた。どうせVIP客として最高のサービスが受けられるし、食事も無料だ。

わずか3分ほどで、部屋のドアベルが鳴った。唐龍が立ち上がってドアを開けると、ウェイトレスが食事カートを押して入ってきた。まずKIKIの食器を片付け、それ...