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154話

ブラックジャックは一瞬硬直し、白い手袋をはめた両手が宙に止まった。彼も寧馨がいきなり断るとは思っていなかったようだ。

「ふふ、大変身は見たくないなら、別の手品を見せようか?」

ブラックジャックは場の気まずさにまったく動じず、どうしても寧馨に手品を披露しようとした。彼は二歩前に出ると、顔に妖艶な笑みを浮かべ、袖をまくり上げ、右手を空中にかざした。

「シュッ」という音とともに、ブラックジャックの手には突然チューリップが現れた。

「美しいレディ、私の誠意をお受け取りください」ブラックジャックは紳士のように寧馨に向かって一礼し、チューリップを差し出した。

罪域の粛清者の花を、寧馨が受け取るは...