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144話

宵の胸から発せられた鉄のような音を聞いて、ロモはふと眉を寄せた。

だがロモの豊富な戦闘経験は侮れない。彼は残された片方の掌で宵の胸を打ち据えた。

「愚かな…そんなことは無駄だ!」宵は冷笑を浮かべた。

宵の義体は修復されただけでなく改造も施され、胸部には金属の防護板が取り付けられていた。

それは内臓が機械の補助のもとで正常に機能するための措置だった。

しかし言葉を終えた途端、宵は何かを感じ取り、信じられない表情でロモを見つめ、口の端から赤い血が滲み出た。

「どうやったんだ…?」宵は信じられないという様子で尋ねた。

「お前の胸の鉄板は薄すぎるんだよ」ロモは静かに答えた。

彼は身を翻し、宵の背後に回...