バカのの恋物語

167話

「窮すれば鼠も壁を噛む」「兎も追い詰められれば噛みつく」

陳天明は憂鬱だった。派出所に一日一晩も閉じ込められ、自分が身体障害者であることを理由に、ようやく釈放されたのだ。だが、ことわざにもある通り「父の借金は子が返す」。結局、役立たずの息子が自分の代わりに牢獄に入れられてしまった。もう何もかも終わりだ。妻は逃げ、兄弟たちも没落し、村での地位もなくなった。発言するよりおならをした方が大きな音がする有様だ。上河村の陳家は没落したのだ。

「龍根、この畜生め！」

陳天明は激昂し、堪忍袋の緒が切れた。

冷静に考えてみれば、自分は龍根という愚か者に計算されたのだ。天雲はあの混乱に殴られ、服従させられ...