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817話

何小萌は頭を振り続け、後ずさりするが、壁に背中が当たった。

彼女にはもはや逃げ場がなかった。陸国富は必死に起き上がろうとした。

だが指一本動かすことすらできない。

ぼやけた視界から、この一部始終をただ見つめることしかできなかった。

男は下着類を一塊にまとめると、顔に押し当てて深く何度か嗅いだ。

うっとりとした表情で、それからポイと投げ捨てた。

そのうちの何枚かの薄い色の少女向けパンツには、茶色い血の跡が付いていた。

彼は立ち上がり、何小萌に向かってジーンズを下ろした。

にやにや笑いながら「奥さん、ちょっと遊ぼうよ!」と言った。

それは陸国富が見た中で最も恐ろ...