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802話

「このような女性を誘惑するには、欲しがらせてから引くのが一番だ」と悟った彼は、すぐに行動を起こすことはしなかった。

女将に一言「お休み」と告げると、階段を上って自分の部屋へ戻った。

部屋に戻ってからも陸国富は耳をそばだて、外の気配を窺っていた。

案の定、間もなく階段を上がる足音が聞こえ、そしてトイレのドアが二回音を立てた。

開けてまた閉めたようだ。

陸国富はチャンスだと悟り、素早く服を脱ぎ捨てた。

すでに硬くそそり立つ逸物を揺らしながら、タオルと旅行用の洗面セットを手に部屋を出た。

トイレのドアを押してみると、やはり施錠されていなかった。心の中で小さく勝利を確信する。

そっとド...