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582話

その手は彼女の全身を這うように動き回っていた。

「うっ…」エリーザは思わず声を漏らした。

だが音量を抑えたため、陸国富もスミスも聞き取れなかった。

しかし、傍らに座っていた鐘大錘はそれをはっきりと聞いていた。

「どう?気持ちいいだろ?」

鐘大錘は淫らな笑みを浮かべながら、エリーザの耳元に近づいた。

「男に触られるの、好きなんじゃないか?」

エリーザの頬は思わず赤く染まった。

だがスミスと陸国富がいるため、怒りを表すことができない。

彼女はただ鐘大錘の手を強く払いのけるだけで、彼を無視するしかなかった。

しかし鐘大錘はまったく意に介さなかった。

さらに手を伸ばし、エリーザの太ももの内側を撫で回し...