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579話

「単なる誘拐事件だと思っていたのに。」

それに陸国富は自ら王康が彼女たちに何もしなかったと言ったではないか!

なのに今、このボイスレコーダーから流れてきた音声では、媚薬の話まで出ている!

鐘大錘がこれほど動揺しないはずがなかった。

「陸国富を責めないで!」

ずっと黙っていた小紅がようやく口を開いた。

声を詰まらせながら言った。「確かに王康は私と劉翠にあんなことをしたわ!あなたに言わなかったのは、あなたが気にするんじゃないかと思ったからよ!」

小紅が自ら認めるのを聞いて、鐘大錘の心の中で何かが崩れ落ちたような感覚に襲われた。

まるで息ができないほどの重圧だった。

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