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511話

陸国富の後ろ姿を見つめていたエリサは、突然制御不能のように大声で叫んだ。「ここで待ってるから、絶対に無事に帰ってきて!」

陸国富の背中がわずかに止まった。

振り返ることも何か言葉を返すこともなく、ただ背を向けたまま手を軽く振り、足取りはより一層確かなものになった。

排気管の前に立ち、陸国富はそれを軽く叩いた。

なかなか頑丈そうだ。自分と小紅のお爺さん、二人の重さを支えられるはずだ。

陸国富は真上にある窓を見上げ、歯を食いしばって登り始めた。

二階建ての高さ、およそ四メートルほど。

陸国富自身も身長が一メートル八十センチほどあるので、この四メートルは彼にとって全く難しくなかった。

すぐに...