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157話

舞台の幕が緩やかに上がると、鉄の檻が現れた。

檻の中に閉じ込められていたのは美しい若妻、趙夢だった。

客席の人々は趙夢を一目見た瞬間、その美しさに息を呑んだ。

皆が立ち上がって舞台を見つめ、男たちは目を皿のようにして食い入るほどだった。

陸国富はこの様子を見て、自分の行動に移るタイミングが来たと感じた。彼はズボンのポケットから愛用のライターを取り出した。

だが今、そのライターは犠牲にならなければならない。彼は換気ダクトから這い出し、横梁に登った。

ライターに火を点けると、舞台の幕めがけて投げつけた。

司会者は火のついたライターが燃えやすい幕に向かって飛んでいくのを見た。

ライターが幕に触れた瞬...