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63話

葛老の前では、趙雄はかろうじて若者と呼べる存在だった。

簡単な挨拶を交わした後、趙雄は葉然の前に歩み寄り、紹介した。

「葉さん、こちらは葛老です。骨董街の責任者です」

葉然は少し驚いた。

骨董街に責任者なんているのか?

葉然の戸惑いを察したのか、趙雄は説明を加えた。

「葛老は雲城鑑定協会の会長で、骨董街のほとんどの事を全権で処理できる方です」

葉然は頷いただけで、特に気にした様子はなかった。

趙雄はこれで葉然に暗に警告を与えていた。

葉然は暗勁の強者とはいえ、葛老の身分は公的な色彩を持つ。敵に回さないほうが賢明だという意味だった。

葛老はそれを気にする様子もなく、葉然の手にある玉飾...