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349話

「シャティ、この間、本当にお疲れ様でした」

その言葉を聞いた瞬間、シャティは体中が震え、そして感極まって涙があふれ出した。

セレイスに至っては激しく感情を揺さぶられ、その場にひざまずいた。

「エルフの神樹様!」

一方、エスラントの表情は明らかに動揺していた。

彼がここに来たのは、葉然が言った通り、十分な準備を整えてのことだった。

話がまとまれば、それに越したことはない。だが、まとまらなければ、力ずくでも奪い取るつもりだった。

しかし予想外にも、突然葉然という存在が現れた。

そして今、エルフの神樹が再び姿を現し、彼の計画は完全に狂ってしまった。

少し躊躇した後、エスラントの顔に...