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337話

人群が騒がしくなった。

そう言いながら、競売人は美しい小箱を開けた。

蓋が開くと同時に、一筋の血の光が会場全体を赤く染め上げた。

中には強大な波動を発し続ける血の珠が鎮座していた。

会場の人々は一斉に驚きの声を上げた。

梁師元と阿成は最も目立たない隅に座り、ずっと沈黙を保っていた。

だが今、梁師元はその血の珠を食い入るように見つめ、表情が次第に厳かになっていった。

同じ表情をしているのは冷月山もだった。彼の目には貪欲の色が満ちていた。

一方、フェリスは深く息を吸い込み、うっとりと小さな声で独り言を呟いた。

「なんて恐ろしいほど強大な血妖皇の気配でしょう!これ...