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32話

やがて、空は徐々に暗さを増していった。

この午後、姜初寒は心から楽しんでいた。今は叶然の隣に座り、息を弾ませながら頬を赤らめている。

「疲れた?」

叶然が尋ねた。

姜初寒は首を横に振った。

「全然疲れてないよ!」

叶然は少し離れたところでよちよちと滑る練習をしている曲清歌を見つめ、笑みを浮かべて言った。

「じゃあ、楽しかった?」

「もちろん楽しかったわ!これは私の八年間で一番楽しい一日だったわ!」

そのとき、氷上のイルミネーションが灯された。

氷で作られた迷路や城が、光に照らされて輝き始め、まるで氷の王国のようだった。

「綺麗...」

姜初寒はうっとりとした眼差しで呟い...