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312話

現場に残されたのは、苗紅菱がただ一人だけだった。

彼女は少し茫然とした表情から、次第に恐怖の色を浮かべ始めた。

「まさか…?」

自分の家の護衛長老が一太刀も繰り出せないうちに、この男に一蹴りで吹き飛ばされてしまった。

彼は一体どれほどの修為を持っているのだろうか?

その時、葉然は苗紅菱を見つめ、首を横に振った。

「命だけは助けてやろうと思ったが、残念ながらお前は若いくせに残忍な心を持っている!生かしておいても災いになるだけだ、死ぬがいい!」

そう言いながら、葉然は手を軽く振るった。一筋の剣の光が苗紅菱に向かって直撃した。

苗紅菱はすでに恐怖で頭が真っ白になっていた!

まさか本...