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311話

その日、長刀門で起きたことは爆発的な速さで西北東境全域に広まっていった。

咸陽城!

煙雨楼。

羅霆は悠々と酒を楽しんでいた。

花のように美しい娘が彼の足を優しく揉んでいる。

部屋には琴の音色が流れ、その耳に心地よい旋律は聞く者の心を和ませた。

一曲が終わると!

羅霆は軽く拍手し、賞賛の言葉を述べた。

「紫嫣さん、さすがの琴の腕前ですね!」

珠のれんの向こうから冷たく澄んだ女性の声が返ってきた。

「羅様、お褒めいただき過ぎです」

羅霆がにこやかに何か言おうとした時、執事が慌ただしく駆けつけてきた。

「若様、ご主人様がお呼びです。急ぎの用だとおっしゃ...