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262話

「まず、闘蟲場の下にある小さな扉は六つしかない。

同時に六匹の蟲しか出入りできないのだ。

巫毒大会が始まると、闘蟲場には一刻の間に千を超える蟲が放たれ、争いの末に数百匹が残ることになる。

しかし扉はたった六つしかなく、出たいと思えば誰でも出られるというわけではない。

時には出たくても、扉のところに他の蟲が塞いでいて、突破できずに死ぬしかないこともある。

さらに五毒門の弟子の中には、自分の本命蟲が強いことを利用して、わざと扉の前に陣取り、逃げようとする蟲を待ち伏せする者もいる。

逃げる蟲を喰らい、自らの力を増すのだ。

だから、逃げるにも一定の実力が必要となる。

しかし、どのような...