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260話

「五毒門の大長老と、親しいの?」

葉然は淡々と尋ねた。

「うーん」

アイナはしばらく考え、首を横に振った。

「彼は、私がヴェールを外した姿を一度も見たことがありません」

五毒門の中で、唯一アイナがヴェールを外した姿を見たのは、おそらく昨夜の雷明だけだろう。

しかし、雷明もアイナだと気づけないかもしれない。

結局、昨夜の小屋では灯りもつけておらず、かなり薄暗かったのだ。

さらに、当時のアイナは重病に苦しみ、精神状態も悪く、顔も痩せこけていた。

今ではほぼ完全に回復し、昨夜と比べるとかなり違って見える。

「五毒門全体で、確かに私だと見分けられる者はいないでしょう。ただし、私が本...