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205話

「清璇に譲っても良いだろう!」

林家の長老の中から、一人の老人が突然ため息をつきながら言った。

彼だけが、林東山の考えを理解していたのだ。

林家は今や風前の灯火。

林東山が家主の座を退いても、誰に譲ろうと何の意味もない。

ただ林清璇に譲ることだけが、大きな意味を持っていた。

林清璇は林家で唯一叶然と言葉を交わせる人物であり、二人の関係は特別親しいわけではないが、男女間では話がしやすいものだ。

林清璇が林家の家主になれば、叶然がどれほど冷酷でも、一人の女性を見捨てることはできないだろう?

叶然が林清璇を助ければ、それは林家を助けることになる!

これこそが背水の陣、真の大勝負だっ...