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187話

薛富貴はコクリと頭を縦に振った。

その様子を見て、薛厚昌は思わず息を飲んだ。

普通の人ならまだしも、古武術の使い手が絡んでくるとなると、こんな若さでこれほどの腕前を持つとは。

そう考えると、薛厚昌は少し後悔の念に駆られた。

瞿家と手を組んだせいで、浦江ホテルを失ったのだ。

今、葉然を目の当たりにして、彼は自問せずにはいられなかった。この件で、自分は間違いを犯したのではないか?

こんな若さの古武術者を敵に回せば、その結果は想像を絶するものになるだろう。

瞿家とは違い、古武術者について薛厚昌はより多くのことを知っていた。

だからこそ、彼は浦江ホテルを手放したくなかっ...