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186話

実は、葉然が監視カメラの件を口にした時点で、外部では何かしらの動きがあり、浦江ホテルの商売は一気に落ち込んでいた。

ほとんどの要人が宿泊しなくなり、一般客までもが次々と退室していった。

結局、監視というものは、誰にとっても不愉快なものだったのだ。

そのため今や浦江ホテルは、名ばかりの存在となっていた。

広大なホテルに滞在している客はわずか三、四十人程度で、残りは退室したか、他のホテルに移ったかだった。

だから薛厚昌の命令は、少々無駄なものだったとも言える。

ほぼ一瞬のうちに、ロビー全体から人影が消え、残ったのは司徒親子、瞿家の父子、そして双方の腹心たちだけだった。

しかし最も目立たないのは...