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159話

次に、小さなロリータは自分で携帯を持ち、窓越しに外の雲海に向かってパチパチと写真を撮っていた。

撮りながら、自分の作品に満足げに声を上げている。

二時間のフライトの間、晴児は夢中になって遊んでいた。

普通の子供ならこれだけ騒いでいたら、とっくに疲れて眠ってしまうだろう。

でも晴児は違う。

飛行機を降りた後も、元気いっぱいで、少しも疲れた様子は見せなかった。

連絡せずに東海に来たので、当然迎えに来る人などいるはずもない。

葉然は小さなロリータを抱いて空港を出ると、外には隙間なくびっしりとタクシーが停まっており、客引きの声が絶え間なく聞こえてきた。

「お兄さん、宿泊はどうですか?」

「お兄さん...