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154話

「教主、これは金で解決できる問題ではありません」

余顕龍の側にいる黒衣の男が弁解した。

「薛氏薬業のあの新薬は、我々天巫教が間もなく発売する新薬に深刻な脅威となっています。おまけにあんなに安価で売られては、我々には太刀打ちできません。だから薛氏薬業は潰さねばなりません」

巫拝月は怒りを込めて言った。

「ですから教主、巫師を派遣して、あの葉という男と薛という男を八つ裂きにしていただきたい」

黒衣の男が言った。

巫拝月が手を振ると、たちまち肥満体で顔中にできものが生えた道士が観の中に現れた。

「黒玄、お前が人を連れて行って、あの葉然と薛世鏡を叩き切ってこい」

巫拝月は冷たく命じた。...