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150話

「ふざけるな、そんなわけないでしょ。前に私が入浴してるところを覗いたくせに?見つかって逃げ出したのに、まさか図々しくも舞い戻ってくるなんて、本当に厚かましいわね」

余玲玲は怒りに震えながら娘らしい声で叱りつけた。

「考えすぎだよ。俺はさっき川を遡って来ただけだ。お前の入浴を覗く?そんな御利益はないね」

葉然はそう言いながら、踵を返して立ち去ろうとした。

「待ちなさい!」

余玲玲は怒りで顔を真っ赤にし、前に出て短剣を再び葉然に突きつけた。

葉然の目が冷たく光り、稲妻のような速さで余玲玲の手首を掴んだ。

「あっ!」

余玲玲は痛みに声を上げ、手から短剣を落とした。

そして葉然は手を...