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126話

「……」

叶然は無言だった。

これは困ったことになった。

叶然の疑問を察したのか、苗紫棋は説明した。

「本来なら、おじいちゃんが出展するだけで、こういう場外予想にも名前が載るはずなんだけど、今回おじいちゃんが持ってきたのは水仙で、それもたった一輪だけだから……」

後の言葉は続かなかった。

苗善根は花の世界ではベテランの部類に入る。彼が開発した栄養液のおかげで、多くの人が彼を知っている。

誰が想像できただろう、彼がこの展示会に水仙を持ってくるだけでなく、たった一株の水仙しか持ってこないとは。

「もうすぐ彼らも分かるさ、水仙の凄さを」

叶然はさりげなく言った。

「そうよ!パパが...