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965話

「くくっ」彼は悪戯な笑みを浮かべながら近づいてきた後、冷たい目で私を見つめて言った。「名前は何だ？」

恥ずかしさで俯いてしまった私に、彼は真正面まで歩み寄ると、いきなり私の顎に手を伸ばし、ゆっくりと顔を上げさせた。「ん？名前を聞いてるんだが？」

そう問われると、正直怖くなってきた。彼の声音には恐ろしい何かが潜んでいたからだ。仕方なく、辛そうに答えた。「菀児です…」

彼はそれを聞くと、冷笑を漏らした。「ほう…菀児か」

私が無力に頷くのを見ると、彼は少し驚いたように尋ねてきた。「お前、本当に前は乳母やってたのか？」

頭を下げたまま恥ずかしそうに答えた。「はい…」

「その、大人の乳母って...