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827話

「138号、一緒に来てよ。きっと誰かが助けに来てくれるから、私たちと一緒に逃げましょう、ね?」私はまだ138号の手を握りながら言った。

138号は今、私の手をぎゅっと握りしめて言った。「菀儿、大丈夫よ。ありがとう。でも人が増えれば危険も増すわ。二度も逃げて捕まった私、もう外に出る運命はないのよ。あなたと雅妃は違う。あなたたちは絶対に出なきゃだめ、わかる?」

「138号、お願い、一緒に逃げようよ」私は泣きながら懇願した。

138号は安堵したように微笑み、自分の目尻の涙を拭いながら言った。「ありがとう、菀儿。でも見て、この足を。私はもう二度と戻れないの。ここにいるしかないわ。どうせ金三島の外...