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810話

森兄が私たちに支えられて起き上がると、笑みを浮かべながら目を開け、その赤ワインのグラスを一気に飲み干した。森兄がそのようにワインを飲み干すのを見て、私の心は喜びで満ちあふれた。雅妃の顔からも同じく喜びの表情が読み取れた。

森兄がその大きなグラスのワインを飲み終えると、彼の頭はどんどんふらふらしてきたようだった。森兄が絶えず頭を揺らしているのを見て、雅妃はわざとからかうように言った。「森兄、酔っちゃった?酔っぱらっちゃったの?」

そのとき森兄は目を開けて私たちを見ながら言った。「俺は酔ってない、酔ってるのはお前らだ!」

私と雅妃がこの言葉を聞いた瞬間、二人とも思わずぎょっとした。まさか、あ...