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799話

森さんが着いた時、私は何故かより一層緊張して怖くなってきた。もしかして森さんから万能通行証を密かに盗み出そうとしているから、後ろめたさを感じているのだろうか。

森さんは私を見ると、顔に薄く笑みを浮かべ、私を見つめながら言った。「菀ちゃん、昨夜の君のパフォーマンスには大満足だよ。今日は必ず約束を果たすとも。さあ、行こうか」

私は微笑みながら頷いた。森さんについて外に出ようとした瞬間、突然女性の声が私たちを呼び止めた。「ちょっと、待ってよ!」

振り返ると、138号が慌ただしく駆けつけてくるのが見えた。彼女は興奮した表情で駆け寄ると、私たちを見て言った。「森さん、388号をどこに連れて行くの?...