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759話

緊張しながら、私は森兄の事務所のドアを手で回して開けた。中に入ると、森兄が神秘的な笑みを浮かべて私を見つめていた。

「388番、どうぞ座って、座ってください!」と彼は非常に丁寧に言った。

この森兄がこんなに丁寧に接してくるとは思ってもいなかった。正直驚いて、一瞬どう反応していいか分からなくなった。私は気まずそうに座ると、森兄は私に一杯の水を注ぎ、微笑みながら言った。

「388番、君の名前は何かな?」

私は森兄をちらりと見て、少し緊張しながら答えた。

「森兄、私、菀児と申します」

森兄はそれを聞くと、片手で自分の顎を撫でながら言った。

「ああ、菀児か。いい名前だね、とても素敵だ」

そう言う...