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672話

「あっ、沈兄さん、なんでそんなに速く運転してたの?さっき、車が目の前に来た時、本当にびっくりしちゃったよ!」その時になって恥ずかしそうに顔を上げて言った。

沈老は聞くと、にこにこしながら人差し指を私の顎に当て、軽く持ち上げた。彼は私に直接自分の目線で見つめさせようとしていた。突然のその仕草に、より一層恥ずかしさが募った。「沈兄さん、意地悪だよ、そんな風に見つめちゃって!」恥ずかしそうに言った。

でも言い終わるか終わらないかのうちに、沈老の唇が不意に私の口元に重なった。たちまち顔が真っ赤に染まり、より一層恥ずかしくなって「沈兄さん、意地悪すぎるよ~」と言いかけた。

言い終える前に、沈兄のも...