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352話

「あっ」と気づいたのは見てから2秒後のことだった。なんとそのカップルは林の中で野外プレイをしていたのだ。顔が真っ赤になり、呼吸が荒くなるのを感じた私は、すぐに足早に前へと歩き出した。そのとき、趙社長も何かに気づいたようで、小さな声で私を呼んだ。「菀儿、こっちから行こう」

趙社長に突然声をかけられ、私はびくりと驚いた。赤面したまま横目で彼を見ると、趙社長の頬もほんのり赤みを帯びて、少し気まずそうな様子だった。どうやら彼も先ほどの見るに堪えない光景を目にしたようだ。

しばらく歩くと、私たちは隅のベンチと椅子がある場所に着いた。趙社長はそれを見て、微笑みながら言った。「菀儿、少し座って休みません...