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177話

黒子が前を歩き、私はその後ろについていく。黒子の歩みは速く、私はほとんどついていけないほどだった。急いで追いつこうとした瞬間、足を踏み外してしまい、転びそうになって思わず「あっ」と悲鳴を上げてしまった。

私の悲鳴に黒子が振り返り、私が転びそうになっているのを見るや否や、一歩駆け寄って両腕でしっかりと抱きとめてくれた。おかげで転ばずに済んだ。

立ち直ったとき、何か違和感を覚えた。彼の両腕が私の上半身をきつく抱きしめ、その腕が私の胸をぎゅっと押さえつけている。胸が彼の腕に押しつぶされる感覚さえ感じた。

それに気づいた瞬間、私の呼吸が急に荒くなった。私が立ち直ると、黒子もすぐに何かに気づいたよ...