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110話

濃い白い煙が窓の東南方向から立ち上り、炎はほぼ瞬時に跳ね上がり、飛び散るような勢いでより深く広がっていった。

あまりにも早く、阻止する間もなかった。

何度も検査を受けた船がどうしてこんな大きな不備を見せるのか？！

護衛たちは胸が震えたが、今は追及している場合ではなかった。三階の広間ではまだ歌舞の宴が続いており、彼らはまだ何も知らない。今や船はほぼ湖の中心にあり、岸に戻るのは間に合わないのだ！

護衛隊長は深呼吸をし、冷静さを極力保ちながら指示を出した。「一隊はすぐに船倉へ行き、救命ボートを投下しろ。二隊は救援作業に当たれ。三隊は避難誘導を担当しろ。若様のところは私から知らせる」

全員が応じ、護衛...