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852話

音音が去った後、秦朗はゆっくりと目を閉じた。

「音音、お前はただの井の中の蛙だ。井戸の口からのぞく空しか見えず、この広大な天地と、我らの真の力量をどうして理解できようか」

……

その夜の会話以降、音音は二度と秦朗を訪ねることはなかった。

無上宮の二人の弟子は高慢で、彼に関わろうともしなかった。ただ笑笑だけが毎日暇さえあれば秦朗のもとに駆けつけ、面白い話を聞かせるよう催促した。笑笑にとって、剣荘の外の世界はすべてが新鮮で、特に秦朗の口から語られる奇妙で不思議な地球や、果てしなく広大な宇宙の話は、彼女を魅了してやまなかった。

「本当に宇宙には無数の星があって、山を動かし海をひっくり返すよう...