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821話

秦朗も負けじと、手を伸ばして金龍の刃を召喚した。彼は素早く一振りして、その刀を饕餮の灰褐色の蹄爪に深く突き刺した。しかし、それは秦朗が想像していたほど単純なことではなかった。彼の金龍の刃は完全にこの獣の外皮を傷つけるだけで、内皮にさえ達することができなかった。その外皮はあまりにも厚く、長年にわたって蓄積された死皮で覆われており、見るからに気持ち悪かった。

秦朗は吐き気さえ感じた。彼は瞬時に剣を引き抜いたが、その瞬間、この饕餮の左側の角に鍵の形をしたものが生えているのに気づいた。その周りには炎が立ち上っていた。秦朗は一瞬怔んだ。

「まさか、これが火の密鍵なのか?」

秦朗はその火の密鍵のよう...