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80話

あの日、鐘玉は丸3時間泣き続けた。鐘玉が落ち着いてから、秦朗は沈万千に蔡濃の遺体をしっかり手配するよう頼んだ。

沈万千は蔡濃の遺体を火葬し、その遺灰を金陵のある墓地に安置した。骨壺を納める当日、秦朗は鐘玉に付き添って墓地を訪れた。蔡濃の墓碑を前に、鐘玉はまた長い時間泣き続けた。

蔡濃が亡くなってからの五日間、鐘玉の気持ちはずっと落ち込んだままで、学校にも行かず、唱夢会社での研修にも姿を見せなかった。

こういう状況に、秦朗はただ心配するばかりだった。鐘玉自身が気持ちを奮い立たせないかぎり、誰が何を言っても無駄なのだ。

この日、秦朗は早めに起き、外で豆乳と揚げパンを買って別荘に戻ってきた。...