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797話

秦朗が臨安に戻ろうとしていた頃、臨安から離れた山村に一人の青い道服を着た道士がやって来た。彼は周囲の人々に臨安への道を尋ね歩いていた。

「この小さな施主よ、この道は臨安府へ続いているのかな?」

老道士は笑みを浮かべたまま、柳城郊外の村にある唯一の黄土の道を指さし、鼻水を垂らしながら棒付きキャンディーをなめている少年に尋ねた。

少年は六、七歳ほどの様子で、弥勒菩薩のように笑みを浮かべる老道士を困惑した表情で見つめ、どうしていいかわからないように首を横に振り、そして縦に振った。

「結局、どっちなんだい?」

大和尚は独り言のようにもう一度尋ねた。

少年は頷いた後に首を振り、わからないという意...