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784話

秦朗を両腕で抱えることもできないのに、片腕ならなおさらだ。簡洛辰は仕方なく秦朗から手を放し、自分の腕を地面に押し当てて力を入れ、力み過ぎて脱臼した腕を元に戻した。そして彼は発達した上腕二頭筋を誇らしげに動かし、秦朗に向かってニヤリと笑った。「もう一回だ!」

秦朗は言葉を失った。この野牛のような男に言い聞かせても無駄だろう。簡洛辰が両手を広げて抱きかかってきたとき、秦朗は軽く手を伸ばし、簡洛辰の片方の手首を掴み、同時にもう一方の手にも触れた。

簡洛辰は抗いようのない力に両手を捕らえられたような感覚に襲われ、思わず体が沈み込み、「ドサッ」と音を立てて両手を地面についた状態で伏せてしまった。

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