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768話

「愚か者」は身体を震わせながら、目を見開いて暗黒狼王を見つめていた。それこそ彼らが生涯をかけて夢見た境地だったのだ。だが、三人とも生涯を終えるまで、あの至高の境地に足を踏み入れることはできなかった。

すべての狼人たちは、暗黒狼王が変身した瞬間に足を止め、狼の頭を上げて天に向かって長く吠えた。

「アォォォォ！」

谷全体が耳をつんざくような狼の遠吠えで満たされ、その声は数十里先まで届いた。この荒野の近くにいる者なら誰でも、この凄まじくも喜びを帯びた遠吠えを聞くことができただろう。まるで彼らの王の降臨を祝福するかのように。

「ドン」

暗黒狼王が現れるや否や、その姿がひらめき、猛烈な速さで秦朗の前...