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621話

宋長興は急に嬉しそうな表情になった。「何割?」

秦朗は淡々と答えた。「十割だ」

「ふん——」

そのとき、入り口から冷ややかな鼻息が聞こえた。「随分と大きな口を叩くものだな」

秦朗と宋長興が声のする方を見ると、宋長衛と蘇薇たちが入ってきたところだった。

「長興、お前はますます図に乗っているな。私の命令に背いて、勝手に容疑者の保証人になるとは?」

宋長衛は顔を引き締め、まず宋長興を叱りつけた。「お前は自分の官職が重すぎると思っているのか?」

「兄さん、秦朗は保釈条件を満たしているんだ。手続き上、彼はとっくに出てくるべきだった」

宋長興は知らず知らずのうちに兄に反抗し始めていた。「た...