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60話

「pk、今から始めます」

画面上に大きな文字が表示され、その下に進捗バーが現れた。両者の数値は「0」で、中央には10分間のカウントダウンが始まった。

「9:59」

「9:58」

……

「こんにちは、文婧ちゃん」梓馨が謝文婧に手を振った。謝文婧のアカウント名は「可愛い文婧」だった。

「こんにちは」謝文婧はそっけなく返した。今は梓馨とくだらない話をしている暇などない。謝文婧の心は既にその10万元の賞金に釘付けになっていた。

謝文婧の頭はかなり冴えていた。相手はこれだけ長く配信をしてきたのだから、自分よりもずっと手練れに違いない。自分はたった数時間の配信経験しかないのだ。相手のペースに乗ってしまえば...