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547話

辣婆婆に対して、秦朗は万分の感謝を抱いていた。辣婆婆の指導がなければ、彼は神境に入ることなど決してできなかっただろう。

辣婆婆も秦朗を「尊主」と呼ぶことはなく、どこか彼を弟子のように扱う雰囲気があった。

碧玉婆婆が亡くなってからは、辣婆婆が秦朗を教え導く責任を担うようになった。宮中の事務については、辣婆婆は全く興味を示さなかった。

「わしはまだ死なんよ、体はまだしっかりしとる。ただ目の前が真っ暗なだけじゃ。朗儿、わしは碧玉婆婆に長年仕えてきた。あのお方はわしの目を治そうとしてくださったが、仙逝されるまで治すことはできなんだ」

辣婆婆はため息をついた。まるで秦朗と心を打ち明けるかのようだっ...