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386話

「そうか?」秦朗は顔色一つ変えず、龍の背から水中へと身を躍らせた。袖を払うと、空中で龍が一回転し、突如として一振りの龍剣へと変化した。剣気が天を突き抜ける。

剣を高々と掲げた時、秦朗は舟に乗って現れた時の静けさを取り戻していた。今や全てが掌握されている。秦朗は冷ややかに言った。

「戦無涯、お前はまだ私の玉児を辱めるつもりか?」

戦無涯は「玉児」という言葉を耳にした途端、顔色が一変した。白髪が乱れ、目には前例のない重圧感が宿り、絶体絶命の境地に立たされていることを実感していた。

「秦朗だわ、彼は自分の玉児のことを忘れられないのね……」秦珠は全身を震わせ、言いようのない嬉しさと切なさが胸の内...