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349話

鐘玉は鳳凰の椅子から立ち上がり、顔色が少し青ざめていた。彼女にはなぜこの奇妙な風体の外国人たちが自分にこれほどの礼を尽くすのか理解できなかった。

その花に雨が降りかかったような表情が残月使を震撼させた。鐘玉の佇まいは何と言えばいいだろう、象月教の聖女以外に、これほど魅力的な人物はいないだろう。これまで石柱に縛り付けられ焚刑を待っていた娘たちも、一人として鐘玉のような気品を持ち合わせてはいなかった。

「あなたたち……どなたですか?インドからいらしたの?私たち、お見知りではないはずですが」鐘玉は驚いた小鹿のようだった。

「聖女様!私どもはインドのアムロン都市国家から参りました。鐘雪雁様が特に...