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337話

「風花雪月」の四人は秦朗と鐘玉のために、簡単な荷物をまとめた。秦朗、鐘玉、小雪が邀月宮の門まで歩くと、邀月宮の600余りの弟子たちが見送りのために集まってきた。

「もういいよ、皆は戻りなさい!」秦朗は微笑みながら邀月宮の弟子たちに手を振った。

そう言うと、秦朗は名残惜しげに邀月宮の建物、弟子たち、小風、小花、小月を見つめ、それから鐘玉たちを連れて背を向けた。

小風、小花、小月たちの目から、意思に反して涙がこぼれ落ちた。他の弟子たちも別れを惜しむ涙を流していた。

「尊主、さようなら!」

「尊主、道中ご無事で」

「尊主、早くお戻りください!」

弟子たちの声が天山の中に響き渡った。

秦朗...