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272話

「そうだとして何だ?何がしたいんだ?言っておくが俺は偉匯集団の若旦那だぞ、いとこは燕京の宋家の人間だ。俺に指一本でも触れたら、お前を燕京から生きて出さねぇからな」方正は言った。普段なら自分の身分を名乗るだけで、どんな大物でも彼に手を出す勇気はなかった。

「そういう身分だからって、何でも好き勝手していいと思ってるのか?」秦朗は尋ねながら、一歩一歩と方正に近づいていった。

「近づくなと言ってるんだ!」方正はベッドの方へ後退した。彼は秦朗に対して深い恐怖を抱いていた。程猛のような猛者でさえ彼を殺すことができなかったのだから。

方正はベッドの端まで下がると、尻もちをついてベッドに座った。両手を交...