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24話

秦朗はため息をついて、模型の前で少し見回ろうと思った矢先、一歩踏み出した拍子に、後ろから入ってきた貴婦人にうっかりぶつかってしまった。

「あらやだ、歩くときは前を見なさいよ?見てよ、私の新しいハイヒールが汚れるところだったじゃない。あなた、弁償できるの?まったく」サングラスをかけた貴婦人は、ブラウンのショートヘア、体にフィットしたロングドレスを着て、足元には水晶のサンダルヒールを履いていた。35、6歳くらいに見えたが、露出した腕は雪のように白く、思わず目を奪われるほどだった。

「こういう品のない人とは話すだけ無駄よ、ハニー。中に入って見ましょう」ショートヘアの貴婦人の後ろには男性が付き添っ...