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995話

李南方は以前テレビを見るとき、よく主人公が女主人公に傷つけられた後、苦しみながら酒を求め、泥酔するシーンを目にしていた。

まるでそうしなければ、主人公の心の痛みを表現できず、彼が感情を持つ人間であることを証明できないかのようだった。

そんな陳腐な展開を見るたびに、李南方は軽蔑の念を込めて「気取った馬鹿め」と罵っていた。

彼は男というものは、手に入れることも手放すことも潔くあるべきだと思っていた。女も、いわゆる恋愛も含めて。

古人も「天涯何処芳草無し」と言ったではないか。ましてや今の若者は開放的になり、セックスすら大したことと思っていないのだ。

男が女に傷つけられたなら、それは単に犬に...