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970話

「まさか紙人形に心を奪われるなんて」こんな不気味な体験は、楊甜甜にとって初めてのことだった。

初めての経験で、さっきの危険を身に染みて感じていた。

もし二大爺があの時厳しく一喝していなければ、楊甜甜は自分の魂が紙人形に引き寄せられていたと確信していた。

恐怖で体が激しく震え、彼女は小さく呟いた。「こ、これは一体どういうこと?」

「何でもない。行くぞ」

二大爺はそっけなく言うと、松明を高く掲げて最上階の大殿へ続く階段を上っていった。

楊甜甜はさっきの紙人形の邪悪な瞳に恐れをなし、もはや立ち止まる勇気もなく、慌てて二大爺の後を追って第九層の神殿へと入った。

そこで彼女はさらに多くの紙...